ガス拡散層(GDL)や集電体と呼ばれることもある多孔質構造体は、その特異な構造からなる機能性で電気化学デバイスの性能や耐久性に対する重要な役割を担っています。
理想的な多孔質構造体は、次のようなものです:
- 気体・液体、また反応物や生成物の効率的な流動を可能にする
- 高い電気伝導性、熱伝導性を有する
- 特定の環境において耐腐食性であること
- 膜や電極など他の構成要素との接触面に対し調整が可能
Currento®は、電気化学デバイスの多孔質構造体として使用される金属繊維焼結体であり、高い透過性と強度を持つ高性能な材料です。現在、Currento®に使用されている金属種は、チタン、ニッケル、ステンレスの3種類です。
金属繊維焼結体の孔径は数µmレンジです。
金属粉末焼結体と比較して、同様の孔径でより高い空隙率、加えて高い透過性を持つことがわかっています。
また発泡金属構造体と比較して、金属繊維焼結体が持つ孔径は比較的小さく、その結果、被表面積が大きいという利点を持っています。
出典: Paul Scherrer Institut, Tobias Schuler et al 2019 J. Electrochem. Soc. 166 F270
提供可能金属種 | SUS316L、Ti、Ni、Cu |
繊維径範囲 | SUS316L : 2 - 40 µm Ti/Ni/Cu : 10 - 50 µm |
空隙率 | 40% - 90% |
焼結体厚み | 100 µm - 2 mm |
外形 | お客様のご要望に応じたカスタマイズが可能 |
他層焼結体 | 複数の繊維径を組み合わせることで、孔径勾配を持つ構造が可能 |
表面コーティング | 耐久性付与のための保護膜(Ptなど) |